公益財団法人 星総合病院 インタビュー

地元の食を活かしながら、安心して暮らせるまちづくりに貢献する「星総合病院」

交通の利便性が高く、公共施設やインフラも充実している「郡山」駅周辺エリア。「公益財団法人 星総合病院」では、コミュニティやネットワークを活かした幅広い診療や活動を展開している。今回は、法人管財部の椎名亨さん、こども事業部の細越ちい子さん、広報部の塩田夏希さんの3名にお話を伺った。

病院をもっと身近に。病気になる前に、元気になれる病院を目指して

ーまずは、「星総合病院」さんの特徴や方針について教えていただけますでしょうか。

塩田さん:わたしたちの目標は、地域の皆様に愛され選ばれる身近な存在になることです。そのために地域のニーズに応じた医療、介護、福祉サービスを提供し、地域の人々が安心して暮らすことができる街、地域づくりに貢献していきたいと考えています。

細越さん:病院は病気になったら行くというイメージがあるかもしれません。もちろんそうなのですが、病気になる前に、元気になるための場所として、いつでも気軽に利用していただきたいです。そのために患者さんのみならず、一般の方との交流が生まれるような取り組みを展開しています。

ーHPなどを拝見していて、特に子育て支援に注力している印象を受けました。

細越さん:地域の未来を作るのは子どもですので、子どもが元気に育てば地域も元気になると考え、地域ぐるみで子育てを支えるまちづくりを目的に子育て支援事業を行っています。病院で運営している5つの保育園では、545名のお子さんを保育士だけで100名、看護師も常駐したサポート体制でお預かりしています(2020年11月時点)。

法人こども事業部 事務局長 細越ちい子さん
法人こども事業部 事務局長 細越ちい子さん

「みんなのキッチン」や「食育広場」。地域で人気の「食」のイベントとは

ー地元食材を使った食の取り組みにも力を入れているとお聞きしました。

細越さん:はい。実は、2020(令和2)年7月からキッチンカーを始めました!その場で調理したものを提供する車両で、どこにでも出張します。秋には保育園の子たちがさつまいも掘りをして、その場でホカホカのふかし芋にしてみんなで食べました。

塩田さん:福島は農業が盛んで、おいしい食材がたくさんあります。そんな食材を当院で運営している保育園の子どもたちだけではなく、地域の方々にも届けたい。そして食を通じて地域の人たちが集まり、世間話ができるようなコミュニティが生まれたらいいなと思いますね。

ー他には、どんな食への取り組みがありますか?

細越さん:「みんなのキッチン」という子ども食堂が大変ご好評をいただいています。はじめは一日30食を提供していましたが、あっという間に完売し、続いて40食、50食とありがたいことに毎回大盛況で。現在はテイクアウト方式で60食を提供しています。地域の方々のニーズを肌で感じますね。

塩田さん:大町キッズベース」という多世代交流所で行われる地域のお母さん向けの「食育ひろば」も人気です。キッチンカーと同じく、2020(令和2)年7月から始めてまだ2カ月なのですが、アレルギーのある子やむら食いのある子にどんな食事を作ったらいいんだろう?と悩むお母さんに好評ですね。管理栄養士が目の前で調理方法をレクチャーし、作った食事をお持ち帰りできるのでご自宅でお子さんと一緒に食事を楽しんでいただけますよ。 私自身去年出産を経験し、「食育ひろば」に参加したところ管理栄養士さんが親身になって相談に乗ってくださり、とても参考になりました。

「食育広場」も行われる「大町キッズベース」
「食育広場」も行われる「大町キッズベース」

食べるを楽しむ「JOYEAT(ジョイート)」プロジェクト

ーこれだけ食の取り組みを大切にされているのには、どんな理由があるのでしょう。

椎名さん:食と健康は、医療にとって大切なテーマです。うちの病院で提供する給食は「治療食」といって、栄養を摂取するというより、健康になるための治療の一環と考えています。病院食って塩分が控えめで、味気ないイメージがありますが、入院している患者さんにとって一番の楽しみは一日三度の食事なんですよね。本来、食べることによって人は元気になれるはず。それが美味しくなくていいはずありません。

健康的だけど、おいしく感じられるような食事を作れないか。そこで、食べるを楽しむ「JOYEAT(ジョイート)」プロジェクトが立ち上がったんです。管理栄養士を中心に「こんな食事を提供したいね」と各自がレシピを考えて、みんなで試食して、その中で少しずつ給食のメニューに反映していきました。私たち一般の職員も一緒になって考え、食育のレストラン「JOYEAT̟⁺KITCHEN(ジョイートキッチン)」が生まれました。ヘルシーで美味しいご飯を、一般の方や患者さんも楽しんでくれています。その輪が広がって「みんなのキッチン」や「食育ひろば」など地域の方に喜んでもらえる活動につながっていったんです。

「JOYEAT̟⁺KITCHEN(ジョイートキッチン)」のランチメニュー
「JOYEAT̟⁺KITCHEN(ジョイートキッチン)」のランチメニュー

法人管財部 部長 椎名亨さん
法人管財部 部長 椎名亨さん

産前から産後まで。手厚い妊産婦支援に力を入れている

細越さん:産む前から産んだ後まで、妊産婦さんの支援をさせてもらっています。「かがやき健康館」のプールで行う水中で行うマタニティアクアは県内でもかなり珍しい取り組みで、専門のトレーナーが指導するので安心感がありますね。

塩田さん:マタニティアクアは浮力があるので大きなお腹でも楽に運動が可能です。産後のお母さん方向けにアフタービクスや産後ケアエクササイズも開催していますよ。

細越さん:こうしたイベントの後にもママたちのコミュニケーションがあって、そこがまた楽しみなようです。子どもを産む前から相談できる環境は妊婦さんにとって心強いですよね。産後うつなどもこうしたコミュニティでカバーできたらと考えています。また産後デイケア、ショートステイも当院で受け入れています。肉体的にも精神的にも一息入れて、リフレッシュしていただけたら。最近は近隣のエリアからも要望があり、受け入れできる体制を整えているところです。

塩田さん:生まれる前から生まれた後まで、ずっと寄り添える存在でいたいですね。お年寄りになってからもぜひ当院をご利用いただければ嬉しいです。

法人広報部 塩田夏希さん
法人広報部 塩田夏希さん

広いネットワークがあるからこそできる地域連携の取り組み

ー総合病院のネットワークを活かした取り組みとしてどんなことをされているのですか。

細越さん:まずは窓口やお電話でお話を伺い、相談者さんの状況に応じて、専門職におつなぎしています。総合病院ですから、多くの診療科目をカバーしているので、多職種が連携し、相談者さんのニーズに合わせて対応することができます。病院にお越しいただくのが難しい場合は「ほしくま児童家庭支援センター」や「在宅介護支援センター」といった施設もありますので、まずは気軽にご連絡いただければと思います。いつでも受け入れ可能な体制を整えておりますので、ご相談くださいね。

塩田さん:そのほかにも、音楽や農業などの取り組みも行っています。病院のすぐ隣にある「メグレスホール」で音楽イベントを開催し、地域のみなさんに良い音楽を楽しんでいただいたり、貸農園を運営して地域住民の方にお貸したりしているんです。近隣の方々が健康的な生活を送れるように、これからも積極的に地域のみなさんと交流していきたいですね。

開成山公園」でのんびり。「郡山」駅周辺の街の魅力いろいろ。

ー郡山の街の魅力についてお聞かせください。

塩田さん:開成山公園」はおしゃれなマルシェも開催していておすすめです。緑が多くて癒されるので、子どもとよく散歩をしています。本を片手にベンチでのんびり読書をするのもいいですね。

細越さん:「郡山」駅周辺は、何をするにも便利な場所ですね。ほとんどの買い物には事欠かないので、住むには快適な場所だと思います。

椎名さん:郡山駅前は魅力的な居酒屋がたくさんあるので、お酒好きな人にはたまらない場所ですよ。ぜひ飲み歩きを楽しんでみてください。

ー最後にこれから「郡山」駅周辺エリアに住む方々に向けて、メッセージをお願いします。

椎名さん:とにかく当院に来てもらえれば、何かしらお手伝いできることがあると思います。「郡山」駅からも歩いてこられる立地ですし、病院のすぐ隣に買い物ができるお店もあるので、いつでも遊びに来てください。

塩田さん:子育てを頑張るママさんたちが息抜きを兼ねて「JOYEAT+KITCHEN」でランチを楽しんだりされています。そんな風に気兼ねなく当院を利用して、元気になっていただければ嬉しいです。

開成山公園
開成山公園

公益財団法人 星総合病院

(右から)
法人管財部 部長 椎名亨さん
法人こども事業部 事務局長 細越ちい子さん
法人広報部 塩田夏希さん
所在地 :郡山市向河原町159-1
電話番号:024-983-5511(代表)
URL:http://www.hoshipital.jp/index.html
※この情報は2020(令和2)年10月時点のものです。